Cream L

美術館のキュレーターとして働く28歳の松井紫音は、美術に興味があり、責任感が強くストレスをためないように心がける真面目な性格の持ち主だ。

紫音が猫を飼うことを決めたのは、大学時代のサークルで飼われていた猫に触れた時だった。それ以来、彼女は猫に対して興味を持ち始め、YouTubeでかわいい猫の動画を見るようになった。その中で、一匹の茶トラ猫が目に留まった。

「この猫、なんだか人懐っこそうで、でも独立心が強そう……」

そんな猫に出会ってから、紫音は慎重に調べ、猫を飼うための準備を整えた。

そして、その日がやってきた。保健所に向かう途中、紫音は少し緊張していた。しかし、そんな彼女の前に、運命的な出会いが待っていた。茶色い毛並みが美しい猫が目に留まったのだ。紫音はその猫の瞳を見つめ、目が合った瞬間、彼女は自分に言い聞かせた。

『この出会いが運命的なものであると感じた。』

紫音と猫が見つめ合う様子を見て、保健所の職員が冗談っぽく笑いながら声をかけた。

「この猫、あなたを待っていたようですよ。」

紫音は緊張を解きほぐし、猫に手を差し伸べた。
猫は、そっと手を受け取り、紫音の腕の中に飛び込んできた。

「クリーム、君が私の大切な家族になるんだね。」

紫音は、とっさにクリームという名前をつけた。
猫の柔らかな毛並みがクリームのように見えることに気づいたからだ。

そしてクリームは、紫音にとって特別な意味を持っていた。
彼女が小さな頃、母親と一緒に食べたパンにクリームがたっぷりと塗られていたときの温かい思い出が、ずっと残っているのだ。その思い出と柔らかな毛並みを重ね合わせて、とっさにクリームという名前を選んだのだ。

紫音は、クリームを抱きしめ、その瞬間から、紫音と猫の新しい生活が始まった。

「君は本当に特別な存在だね」と紫音は、クリームに話しかけた。

クリームは、喉を鳴らして、紫音の言葉に応えた。
紫音は、クリームとの新しい生活が始まることを、今までにないくらいに心待ちにしていた。

そして、一匹の猫との出会いが、紫音の人生を変えることになるとは、紫音自身もまだ気づいていなかった。

管理人

投稿者 管理人

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA